テント村通信アーカイブ



原発にも辺野古新基地建設にも反対しよう!(2014年3月号)




  都知事選が終わった。結果的には自公政権の支援を受けた舛添候補が2位以下を引き離し、保守系の都知事が献金問題で辞職した猪瀬前都知事の後を引き継ぐ形となった。だが、原発反対運動側は、宇都宮候補、細川候補と鈴木候補などに票が分かれた。票が割れたことより、その後の大衆運動への影響の方が問題だと言える。


 テント村では選挙そのものには一本化した考えは出さず、組織的な協力も行ってはいない。だが、都知事選で起きた分裂は、現在の反戦・反基地・反原発運動の脆弱な側面も露わになった事態だったと言える。


シングルイシューでは闘えない


  東日本大震災で起きた福島原発事故以降、全国で反原発運動が高揚した。海外に与えた影響も少なくない。ドイツのように政府としてはっきり脱原発の方向性に 向きを切り替えた国もある。事故は依然として収束する見通しが立っていない。汚染水漏れ、進まない除染、作業での被曝労働や企業の搾取・暴力団の関わりなど問題は山積みだ。事故の解決方法もなかなか見えず、住民や自治体首長の危惧の前に原発の再稼働も容易に出来ない。現に大飯原発が定期検査に入っている2月現在、全国で1基の原発も動いていない状況が続いている。


 ところが安倍政権は原発を再稼働させ、海外にも新たな原発を売りつけようというとんでもない方向性を示している。さらには集団的自衛 権容認、辺野古新基地建設の強行、武器輸出緩和など、安保・防衛政策でも危険な動きを見せている。


 私たちの運動に問われるのは、危険な原発を止め、廃炉にするためには同時にこうした安倍政権の打ち出すすべての反動政策にどのように対決すべきか、ではないか。


 このかん、原発反対運動では原発反対のみに的を絞り他の仮題を排する「シングルイシュー」「ワンイシュー」と呼ばれる作風が一部の団体から主張されてきた。だが、そうしたスローガンは運動内容の脆弱さを生むだけだ。都知事選対応で現れたのはそういう反原発運動の弱い側面ではなかっただろうか。


 無論、細川支持に回った人々はイラク戦争にも自衛隊派兵にも反対の人も多く、その主張を変えたというわけでもないだろ う。国会で圧倒的に多数勢力を持つ自公政権に何とか一撃を与えたい、という思いが苦渋の選択になったのかも知れない。しかし細川や小泉はこれからも原発反 対の主張や政治的な動きをきちんと続けていくだろうか。また大資本と対決してでも闘い抜くつもりがあるのだろうか。


 テント村では福島事故後の 「原発と軍事」という連載で、核兵器開発と原発は最初から深く結びついていることを明らかにした。それを両輪のように転がしながら進んできた戦後の大資本 や軍需産業への批判、大国主導の世界構造そのものを問題にしていく必要をそこで述べた。原発への批判は環境破壊の危険性を訴えるだけではなく、それを生み出してきた資本と国家を批判し、それを越える発想がなければならない。原発を完全廃棄し新たな社会そのものを目指す展望は、自然エネルギーへの転換というだけでは不充分だ。そういう意味では政策に関するもっと深い論争もあってしかるべきなのだが、都知事選ではさほど起こらず、対立のみが今も尾を引いている。


辺野古への新基地建設に反対を


 安倍政権は原発を「重要なベースロード電源」と位置づけ既存原発を次々に再稼働することを狙っている。


 さらには1月の名護市長選で建設反対派の稲嶺市長が再選されたにも関わらず、強引に辺野古への新基地建設を進めようとしている。2月22日には「沖縄の空 にオスプレイはいらない2・22集会」が東京で開催され、配備一年のオスプレイの違反飛行の常態化について、琉球新報政治部長松元剛さんの講演が行われ た。首都圏でも沖縄現地と連帯して、さらに辺野古新基地とオスプレイ配備反対の動きを強めていく必要がある。


 安倍政権は集団的自衛権の現行憲法下での容認もねらい、この春にも法案提出を予定している。事実上の解釈改憲に等しいこの動きを 断固許してはならない。


 反原発と反基地反戦の運動をさらに密接に連携させながら、安倍政権が次々に打ち出す反動政策に正面から対決していこう。 




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