テント村通信アーカイブ



自衛隊に反対! 集団的自衛権にも反対!
戦争立法やめろ!(2015年6月号掲載)




 ついに国会で安保法制の審議が始まった。今回、国会に上程されたのは、武力攻撃事態法など改悪10法案を一括した「平和安全法制整備法案」と、他国軍の後方支援を随時可能とする新法「国際平和支援法案」。

 「存立危機事態」「国際平和共同対処事態」など聞いたこともない新しい概念によって、戦後日本の軍事法制を1挙に改悪し、いつでもどこでも自衛隊が自由に活動することを可能にする法案である。

 これは実質的な安保条約改定、9条改憲に匹敵する暴挙だ。もはやこれは単に立憲主義の破壊に止まらず、合目的な官僚組織としての政府の合理性すら疑う無謀行為だ。安倍政権は「職能集団としての政府」としても、もはや破綻しているのではないかとさえ思えてくる。

 たとえば、自衛隊法改定案の中の76条・防衛出動規定だ。自衛隊法の最重要規定と言ってもいい条文で、これまでは「外部からの武力攻撃が発生した事態」に総理大臣が自衛隊に出動を命ずることができるという規定だった。この規定に今回、集団的自衛権を行使するために、前記を「一」とし「存立危機事態」を単に「二」として追加する規定に改めることになった。

 これまで「防衛出動」は自衛隊では唯1の「主たる任務」であり、法律上のデフコン=防衛準備態勢制度の最上位として位置付けられてきた。しかし、自国への攻撃も他国への攻撃も同じく「防衛出動」としてしまうとどちらに優先順位があるのか混乱するのは必至だ。安倍政権は組織の指揮系統や構成員の士気すら理解してないのだ。


対米協力だけでなく、個別的自衛権拡大にも反対!


 これまでの国会の審議では、自衛隊員のリスク、他国領域での集団的自衛権行使の有無、首相いわくその唯一の例外ホルムズ海峡での機雷掃海の「存立危機事態」としての要件、軍事的な波及のない事態は周辺事態に該当しない(98年2月26日、外務省局長)という答弁が維持されているかといった点に議論が集中している。

 だが一方で、自衛隊の国内における権限の強化=個別的自衛権の拡大については、注目が薄い。とくに「グレーゾーン事態」での治安出動や海上警備行動の要件緩和については民主党の方がよりひどい「領域警備法」を維新の党と共同で提出することを画策している。閣議決定を経ずとも現場指揮官の判断で自衛隊が出動できるというトンでもない法案だ。国会での動きに惑わされず、法案成立を阻止していきたい。


東京都総合防災訓練 今年はなんと立川!


 今年の東京都総合防災訓練が9月1日(火)に行われることが3月17日発表された。

 今年の訓練は、なんと立川市と合同で実施され、昭和天皇在位50年を記念した国営昭和記念公園が会場。また、今回の訓練は、持ち回りで行われている9都県市合同防災訓練の幹事が東京都のため、同訓練としても実施される。格段的に拡大した規模で実施されるのは必至だ。さらに例年通りであれば、政府の現地調査団も会場に派遣され、なんと安倍も視察に来る。あの安倍が立川に来るのだ。

 東日本大震災での救援活動により、自衛隊に対する支持率は急上昇した。震災以降、メディアでは自衛隊に対する批判意見はほとんど耳にしなくなってしまった。

 しかし、災害救助を理由に自衛隊を認めてしまってはいけない。集団的自衛権の容認、ガイドライン改定、安保法制整備が進められる中、防災訓練は、災害に「頼れる自衛隊」の姿を多くの市民に見せることで、実戦化する自衛隊の姿を覆い隠し、軍隊に守られる安心感により世論の面から戦時体制作りを下支えするものとして機能している。

 4月14日、テント村も含め都内の仲間などとともに「自衛隊・米軍参加の東京都・立川市総合防災訓練―九都県市防災訓練に反対する実行委員会2015」が結成された。5月21日には立川市防災課に対し訓練中止を求める申し入れをしたが、自衛隊、米軍の参加には「市民を守るため使えるものは使う」と回答。また、訓練の内容についても「まったく未定」と回答した。あまりにも秘密主義の対応だ。

 8月21日、18時45分から国分寺労政会館にて「安倍とオスプレイは来るな!児童・生徒の動員やめろ!東京都・立川市合同総合防災訓練反対プレ集会」を行う。ともに反対の声をあげるよう呼びかけたい。




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