テント村通信アーカイブ



「戦争法案」強行採決糾弾!
―安倍が来る9・1防災訓練に反対しよう!(2015年8月号掲載)




 7月16日、安倍政権は衆議院でいわゆる戦争法案を強行採決した。戦後の軍事体制を格段に飛躍させる歴史的暴挙として徹底的に糾弾する。しかも、連日、国会周辺で多くの市民が反対の声を上げる中での強行採決であり、民衆無視の暴走政治として強く批判したい。

 しかし、各社の世論調査でも明らかなように、内閣支持率は急降下し「安倍政治を許さない」声は日増しに高まっている。これから始まる参議院での審議は、政府が考えるほど簡単には済まない。強行採決直後の19日には、立川でも「ゆるすな!戦争する国 7・19たちかわ大行進」が行われ、なんと1000人もの市民が参加した。

 私たちは、戦争法案反対の声をより強めていくことで、この歴史的悪法の成立を何とか阻止していきたい。


自衛隊批判のない「リスク論」の危うさ


 暴走を強める安倍だが、その安倍が9月1日、立川に来る。これまでもお伝えしているように東京都・立川市合同総合防災訓練の視察に来るのだ。今回の訓練は、九都県市防災訓練の主会場の訓練としても位置付けられており、首相が政府調査団の団長として視察するのが恒例となっているためだ。

 戦争法案と防災訓練とは無関係ではない。これまでもそうであったし、東日本大震災以後はさらに、世論が自衛隊を支持する最大の理由は災害派遣であった。集団的自衛権行使の担い手であり、今回の法案によって大幅に活動が強化される自衛隊。もし、震災での「自衛隊の活躍」がなければ、今回の戦争法案もこの時期に上程されなかったかもしれない。少なくとも、「頼もしく、まじめで、謙虚な自衛隊」というイメージが成立していなかったら、法案を上程することすらできなかったろう。防災訓練は、「頼れる自衛隊」の姿を多くの市民に見せることで、実戦化する自衛隊の姿を覆い隠し、軍隊に守られる安心感により世論の面から戦時体制作りを下支えするものとして機能している。

 戦争法案の審議では、自衛隊員のリスクが論点のひとつになった。災害派遣での「頼もしく、まじめで、謙虚な自衛隊」というイメージは、自衛隊総体への好印象を生むと同時に、戦争法案によりこれから戦場に送られる現場の自衛官を犠牲者として捉える視点をも、いまは生み出している。

 しかし、7月1日、東日本大震災のときの統幕長・折木良一は参考人として国会に招致され、次のように発言している。法案は「憲法の範囲内。極めて意義がある」「事前に法律が整備されることで日頃から訓練ができる」「活動の目的、国家の大義が明確に与えられる」「隊員、家族にとっても重要なこと」ゴランPKOでは「ゲリラに攻撃された場合、他国軍は自衛隊を支援できるのに自衛隊は支援できない、何とも言えない状況」「他国軍が内心どう思っているか分からない」などと発言している。

 たとえ現場の自衛官が「まじめで謙虚」だとしても、自衛隊上層部は、そんな誠実さを権限拡大のために利用しているのだ。こういった上層部が牛耳る自衛隊そのものを批判しない限り、今後は現場の自衛官も犠牲者ではなくリスクを自ら背負う勇敢な人たちへと容易に転化してしまう。いまは政府がリスクを説明してない、ちゃんと説明すれば、残るのは納得した人だけ。残った人はエライ人という訳だ。リスク論は、自衛隊上層部と組織そのものへの批判とセットでなされるべきである。自衛隊批判のない、リスク論や現場の隊員への同情論と、震災での活躍を通じた自衛隊の好印象とは、自衛官の献身=自己犠牲への賛美という点で通底しているのだ。


「防災」の軍事利用に反対!安倍に怒りをぶつけよう!


 9月1日の防災訓練に対しては「自衛隊米軍参加の東京都・立川市総合防災訓練―九都県市防災訓練に反対する実行委員会2015」が結成され、これまで立川市の防災課や教育委員会との交渉、学校現場に浸透する自衛隊についての学習会を行ってきた。その中で、二小(2年)、大山小(4〜6年)、第四中(2年)から各100人が昭和記念公園で体験型訓練に、第六中(3年)200人が泉体育館で物資集積訓練に「総合学習」の授業として参加することが判明した。

 今後、8月21日には前段集会、9月1日訓練当日には監視・情宣行動、反対デモ、報告集会を行う。安倍に防災の軍事利用反対の声をぶつけよう!





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