テント村通信アーカイブ



安倍が来た9・1防災訓練強行糾弾!(2015年9月号掲載)




 9月1日、昭和記念公園にて東京都・立川市合同総合防災訓練が強行された。今回の訓練は、9都県市防災訓練の主会場の訓練としても実施された。また、安倍首相が視察に訪れ、講評を行った。

 これまで4度にわたって市や都に中止するよう申し入れてきたにもかかわらず、訓練が強行されたことを糾弾する。

 私たちの監視を総合すると、訓練の内容は以下の通りだ。会場は@昭和記念公園ゆめひろば、A同立川口ひろば、B泉体育館、Cモノレール引込線、D柴崎体育館、E公園東部民有地、F都立木場公園、G木材埠頭、H横田基地など。

 @は主会場で自衛隊などによる大規模救出救助訓練が行われたが、会場には野球場さながらの観客席がすえられ、まさにイベント会場そのもの。ヘリでの救助は天候不良のため中止されたものの、完全な防災ショーで私たちの批判通りの内容だった。

 また、@の北側部分と国立災害医療センターでは、トリアージ(選別医療)訓練が実施された。患者の選別は医師会の医者が行い、搬送を立川高校の生徒10人が行った。


「総合学習」の授業から突然、「学校行事」に変更


 Aでは、住民と企業の自衛消防隊、児童・生徒、共同による初期消火訓練などが行われた。小中学生が学年単位で都の訓練に動員されたのは今回が初。また、立川、砂川、など市内4つの都立高校の生徒も200人弱が参加。高校生は住民と共に、初期消火、救助・搬送、応急救護訓練。小中学生(二小、大山小、四中の300人強)は模擬消火器による初期消火、煙体験、初歩的な救護訓練(AED、三角巾)、防災クイズに参加。住民に賞味期限切れの水を配るという不祥事もあった。

 当初、立川市教委は防災教育に役立つという理由で「総合的な学習の時間」という授業として児童生徒を動員しようとした。ところが、6月の交渉で小学2年生には総合学習の時間がないことを私たちが追及。8月の交渉では一転、すべて「学校行事」として参加させると言い出した。安倍が来る、平日で参加者を増やすには児童生徒を動員するしかない、理由は後付けという市の姿勢は明白だ。

 また、自衛隊の炊き出し訓練で、高校生が配膳係として作業補助に当たらされた。今回、許しがたいことに展示では2小の子どもたちがジープの体験搭乗をやらされていた。これも初の出来事だ。全都立高校で今年度から「防災活動支援隊」の結成が義務化され、防災ファシズムとも言える体制が作られている。上記トリアージでの立川高校の生徒はこの隊員だ。立川市内でも昨年度2件の「職場体験」が自衛隊基地で行われた。防災を利用して自衛隊との連携と国家に服従する教育が行われているのだ。またBでも、横田基地から運ばれた物資を第6中の生徒200人が仕分けさせられた。


デモで安倍を直撃 −会場に響く「安倍やめろ!」


 さらに、Cではモノレールからの救助訓練、Dでは遺体の身元確認などを行う検視・検案訓練、Eではキッズコーナーが設けられた。1方、都心では医療救護拠点がFに設置され、トリアージ訓練を実施。しかし、ここでは陸自の医官が患者を選別。さらに、患者をGに停泊しているヘリ空母「いずも」にヘリで搬送する予定であったが、これも天候不良のため中止。Hでは防災公園・有明の丘から米軍ヘリで搬入された物資を陸自が車で旧立川政府倉庫やBに輸送する訓練があった。

 今回の訓練。防災を利用して自衛隊のイメージアップを図ることで、戦争法案への批判を和らげようとするものだったと言えよう。また、東京新聞(8月29日)によればこの日のオスプレイへの搭乗を米軍が複数の横田周辺自治体の首長に要請して2市から拒否されていたことが判明した。やはりオスプレイの参加も検討されていたのだ。

 反対運動としては、午前の監視行動、正午から40人が参加して抗議デモを行い、夜3労会館にて報告集会を行った。何と言ってもデモで安倍を直撃できたことは成果だ。私たちの声が会場にはよく響いていたそうだ。

 まだまだこの秋は忙しい。9月19日には立川基地「防災航空祭」抗議情宣もある。今年もまた右翼が来る。ゲート前を占拠するだろう。1人でも多くの結集を呼びかけたい。さらに、今年は砂川闘争60周年に当たる。10月11日「砂川の大地から、とどけ平和の声」と題し、現地集会が行われる。映画祭と歌や人形劇もある野外集会など盛り沢山だ。ぜひとも足を運んでいただきたい。





テント村通信記事 メニューに戻る


inserted by FC2 system