テント村通信アーカイブ



安保法制反対をこれからも!
−10月11日は秋の砂川へ−(2015年10月号掲載)




 9月19日未明、国会正門を取り巻く反対の声を踏みにじって、安保法案が成立した。

 8月30日の国会包囲を頂点に、このたびの闘いは間違いなく戦後政治史に特筆すべき大衆運動だった。国会前行動に何度か参加した実感からしても、質量ともに反原発運動のピーク時よりも一段上という印象を受けた。

 私たちの生活や運動は、安保法制に規定されるが、同時に安保法制反対運動にも規定されていくだろう。そのことの意味をしっかりと噛みしめながら、立川基地撤去の展望を掴んでいきたい。


安保法制が拡大した自衛隊の任務


 安保法制は11本の法律からなる極めて複雑な内容だ。

 集団的自衛権の行使を定めた「武力攻撃事態法」の改悪。「日本に影響が及ぶ」と政府が認定すれば、世界中のどこででも自衛隊が米軍の兵站任務を行なえる「重要影響事態法」(周辺事態法の改悪)。

 対テロ戦争などに参加する多国籍軍の兵站任務を、特別法なしに行なえるようにする「国際平和支援法」。

 外務省・防衛省の長年の夢だった、治安維持活動をふくむ他国軍並のPKO活動への参加を可能にする「PKO法」の改悪。

 海外での自衛隊の戦争を想定して、海外で「命令違反」(戦闘放棄)した自衛官に対して懲役7年以下の罰則を設けた「自衛隊法」の改悪。

―ざっと書き出しただけでも、これだけの法律が短期間に成立してしまった。

 戦闘の危機という点では、今現在自衛隊が派兵されている南スーダンPKOや、ソマリア沖の海賊対処がまずあげられるだろう。安保法制の成立を受けて、すでに南スーダンPKOでは、他国軍部隊の警護活動への自衛隊の投入が検討されている。

 海外での戦闘経験は、必ず「より高性能な武器」「豊富な人員」という発想を生む。能力を超えた任務は、軍拡を誘発する。

 そしてまた戦争に向かう国家は、必ず弾圧を必要とする。04年の自衛隊イラク派兵の時に、私たちは反戦ビラ弾圧という大攻撃を受けた。

 今国会での成立は見送られたが、この安保法制の背後で、盗聴法の拡大や、司法取引などを定めた刑事訴訟法などの改悪が狙われたことも忘れてはならない。マイナンバー導入とあわせて、民衆管理の一層の強化が狙われている。これらはすべて、戦争国家づくりの一環と捉えるべきだ。


航空祭の編隊飛行は中止に


 安保法制が成立した9月19日は、立川基地のお祭りである「防災航空祭」が開催された。

 テント村では例年通り、反対のビラまきと抗議活動を行なった。最近は早起きの右翼にゲート前をとられてしまうため、バス停でビラまきを行う工夫もした。

4年前初登場した右翼は、年々人数を減らし、ついに今年は10人以下まで減ってしまった。ゲート前に日の丸が乱立し、迷彩服のお兄さんが怒鳴っている光景は、自衛隊にとっても微妙なものであったと思うが、とりあえずは右翼の妨害を気にせず今後も反対行動を展開していきたい。

なお今年の航空祭では特筆すべきこととして、毎年行われてきた目玉行事の一つである10機以上のヘリの編隊飛行がなくなったことがあげられる。近年、基地周辺8自治体が連名で中止を求めていたことが実った成果として受け止めたい。


砂川イベント続々


 安保法制の制定は、反戦運動にも新しい大きな課題を突きつけた。こんな時こそ、私たちは、各々の根拠地・原点に立ち返る必要があると思う。

 立川反基地闘争の原点は、いうまでもなく砂川だ。今年は、米軍立川基地拡張を阻止した砂川闘争が始まって60年目の年である。

 テント村も主催者の一翼として参加する、砂川闘争60周年現地集会「砂川の大地から、とどけ平和の声」は、10月11日。午前中は砂川学習館での映画祭。午後は秋まつり広場での野外集会。今秋の一大イベントである。奮って参加願いたい。

 第25回砂川秋まつりは、11月8日。秋の砂川で闘争の果実をたっぷりと味わって、次の闘いへの英気を養おう。闘いはここから、闘いは今から。まだまだ頑張ろう!



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